水害・土砂災害に備えるためのガイドライン

ここ数年の間に、10年に1度と言われる自然災害が頻発するようになっています。これまでは地震による停電対策ばかりが話題になっていましたが、一方で高潮、洪水、土砂崩れといった、巨大な台風や、長時間に渡る豪雨などの水害に備える必要を感じます。

われわれALS当事者や家族は、災害が起きる段階での避難や対応が難しいので、災害のきざし見えた段階で迅速に行動を起こさないとなりません。そのためにも平時のうちに、ご自身の状況(自助)や地域の協力・支援の有無(共助・公助)を考慮して、防災計画を立てておく必要があります。

神奈川県支部の役員の中にも、被災の一歩手前の体験をされた方が複数います。そうした経験も交えて、水害対策ガイドラインをまとめましたので公開します。これを初版として、今後さまざまな知見をもとに更新していきます。

(2021.9.16 初版公開、文責:髙野元)

PDF版:水害・土砂災害に備えるためのガイドライン Ver.1.0

1.平時に準備しておくこと

(1)ハザードマップを確認して、自分の住まいが災害にどのくらい近いのかを確認する

(2)自治体の防災対策部所に、地域の防災対策の状況を問い合わせる

  • 提示されるパンフレットやウェブサイトによく目を通しておく。
    (各自治体のウェブサイトのリンク先を、3.に掲載しました)
  • 避難時にどの程度の支援を受けられるか、確認しておく(2.参照)。

(3)災害の兆しがあるときに、避難するか自宅にとどまるかを決めておく

  • 避難するかどうかは、自宅が災害に耐えられるか、適切な避難先が確保できるか、地域の支援がどの程度得られるか、などを勘案して総合的に判断する。
  • 自宅にとどまる場合は、ハザードマップで示される災害規模に耐えられる前提となる。
    避難する場合は、避難先と避難避難手段を確保する((5)を参照)

(4)自宅にとどまる場合は、最低3日分以上の生活物資を蓄えておく

  • 食料 / 水 / 医療品
    平時から、定期的に生活物資の在庫を確認しておく。

(5)避難する場合は、避難先と避難手段をあらかじめ決めておく。

  • 避難先確保の例(平時のうちに、受入可否・受入条件の確認をしておく)
    • 避難所
    • 病院
    • 親類の家
    • ホテル
    • 公民館
  • 避難方法の確保の例
    • 自家用介護車を所有しいつでも移動できるようにしている。
    • 車椅子移乗や車両へ乗車のために二人体制が必要だが、緊急時は難しいので、災害可能性がわかった時点での移動が必要。
    • 呼吸器をつけているため、災害時にはレスキュー隊が避難所まで運んでもらうことになっている。

(6)避難する場合は、必要な物品を整理しておく

  • 避難した場合に必要な物品をスーツケースにまとめておく。
  • 特に医療関係の物品を最低3日分。
  • 持ち出し物品一覧をもとに、月に一度は点検確認をする。

2.地域の支援可能性を確認する

下記の点を確認しておくことをおすすめします。

(1)地域の消防や保健所に、災害時にどの程度支援してもらえるかを問い合わせる

  • 支援が必要な人が「ここにいる」ことを、まず知ってもらう。
  • 避難に必要な人手を、どのくらい出してもらえるか確認する。

(2)町内会や近隣の住人に対して、災害時に支援してほしいことを伝えておく

  • 支援が必要な人が「ここにいる」ことを、まず知ってもらう。
  • 災害の兆しがあった時点で、避難するまたは自宅にとどまることを伝えておく。
  • 避難にどの程度の人出が必要かを伝えておく。
  • できれば、避難訓練をするのが望ましい。
 ※ こうした対応には、下記の例に挙げるように、地域差があります。

  • 町内会で、災害時の協力体制と手順が確立しており、避難訓練も実施している。
  • 近隣住民は高齢者が多く、協力は期待できない。
  • 消防署と協議して、浸水の恐れのあるときは、レスキュー隊が避難所まで運んでくれることになった。
  • 避難先の検討をしたところ、避難所は主治医の許可が出ず、近隣のホテルに受入を頼んでいる。

3.災害が発生する兆しがあった場合

(1)天気予報に注意し、災害情報を集めたウェブサイトをこまめに確認する

(2)避難を促す情報に注意する

  • 高齢者等避難指示が出た時点で、あらかじめ決めておいた避難場所に避難を開始する。
  • 不安を感じるときは指示を待たずに、避難場所に避難を開始する。
    ※「近隣の河川の水位が危険水準を超えたのが深夜で、避難のしようがなかった。」との報告もありました。

(3)避難所では、周囲に事情を説明して、すぐに人手が借りられるようにしておく。

(4)避難指示が解除されたら、周囲の人手を借りて、自宅へ戻る。

4.自治体の災害対策情報

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逗子市 災害に備えて
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秦野市 防災
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大和市 防災
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綾瀬市 防犯・防災・交通安全・安全安心
葉山町 防災情報/葉山町
寒川町 防災情報/寒川町ホームページ – 高座郡
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二宮町 防災/二宮町ホームページ – 中郡
中井町 神奈川県中井町役場 災害に備えて
大井町 防災安全課 – 神奈川県大井町ホームページ
松田町 防災・防犯情報
山北町 防災・防犯
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(以上)