10/12 平塚「難病患者在宅ケア従業者研修会」レポート

10月12日(木)平塚保健福祉事務所主催の「神経難病患者のコミュニケーションを支える」とのテーマで研修会が開かれ、ALSの啓蒙を願い当事者の立場から「私の病気の経緯やコミュニケーションの体験・想い」についてお話させていただきました。

当日はケアマネ・看護師・ヘルパー・療法士・重度訪問介護スタッフなど、医療関係者を中心に50名を超える参加者があり、戸塚からFBの友人も駆けつけてくれました。

私の病気は教職を定年退職して間もなくALSを発症し、徐々に筋力低下の症状が進み、現在は両上下肢は動かず人工呼吸器をつけた状態です。ここまでくるのに丸九年かかっていますが、その間の驚き・戸惑い・不安・恐れ・苛立ち・諦めなど様々な葛藤のなかでもがき苦しんできた事実をお話しました。

そして今、重度の障がいがあるとは言え、病に屈することなく絶望しないで一人の生活者として自分らしさを取り戻すことができてきたのですが、それには、まさにコミュニケーションを通して様々な人との繋がりを回復できたからに他ならないことを強調したのでした。それだけ、神経難病者にとってはその人なりのコミュニケーション手段を確保することが、介護生活のすべてに関る大切なことを体験から学んできたからです。

今では病気に対するイメージが変わり、ALSは介護体制が十分整い意思伝達が望むようにできるならば、決して絶望だけに終わる病気ではないと思えるようになったのです。

このような経緯と想いをお伝えした後に、鶴巻温泉病院の療法士さんより「口文字コミュニケーション」の実際的方法の説明、患者への具体的な支援事例の紹介、患者の心理・行動の変容について系統立てた話があり、その実践的内容は患者の私にも共感するところが多々ありました。最後に、参加者の有志の方と私とで「口文字コミュニケーション」を実際に体験する時間がありましたが、皆が初心者のぎこちなさに思わず笑いが弾ける場面もあり和やかなひと時となりました。

このような研修の場に私自身が参加できたこと自体が夢のようで、これから生活者として生きていく大きな力・自信となりました。支援者の方々に心から感謝いたします!